国別貿易統計

日本の世界全体の貿易状況を分析中です。

日本

日本の貿易収支(輸出金額-輸入金額)は2008年9月のリーマンショックを境に、これまでは一貫してプラス基調だったものの、一転して、マイナスもしくは若干プラス程度に落ち着きました。また、2022年はロシアのウクライナ侵攻の影響によるエネルギー価格の高騰により、過去最大の赤字となりました。

輸出入金額の推移

1988年から2022年現在までの日本の輸出入金額の推移をまとめました。2022年は輸出金額、輸入金額ともに過去最高となったものの、輸入金額が大きく跳ね上がったため、過去最高の貿易赤字となりました。なお、具体的には約20兆円近い赤字であり、これまでの過去最高の約13兆円の赤字を大幅に上回ります。)

【出典】財務省 貿易統計

概況品別・輸出金額の推移

1988年から2022年に至るまで、機械類及び輸送機器の割合が輸出全体の半分以上を占める傾向が長らく続いているもの、近年では化学製品や特殊取扱品(再輸出品)による輸出収入の割合も増えています。

貿易統計(財務省)をもとに当サイト作成

各カテゴリーの輸出金額内訳

7機械類及び輸送用機器の輸出額内訳(2022年)はさらに一般機械、電気機器、輸送用機器の3カテゴリーに分かれますが、いずれも同程度の寄与となります。ただし、一般機械、電気機器のいずれも半導体製造装置や半導体等電子部品の割合が多く、輸送用機器については自動車の輸出額が多くを占めます。

6原料別製品は鉄鋼がおおよそ輸出金額の半分を占めます。

5化学製品は各種化合物とプラスチックでおおよそ、6割程度の金額となります。

輸入金額の内訳

貿易統計(財務省)をもとに当サイト作成

各カテゴリーの輸入金額内訳

3鉱物性燃料の輸入金額は石油で全体の半分、天然ガスと石炭で4分1ずつの割合です。

7械類及び輸送用機器の輸入金額は半導体電子部品、通信機、コンピューター等で4割を占めます。

5化学製品の金額割合は医薬品が半分を占め、次いで化学品となります。

貿易収支の実態 その1 輸出入額 貿易相手国別ランキング

輸出入額ともに上位2カ国は中国とアメリカです。世界の国は日本を除き約195カ国ですが、中国とアメリカの2カ国だけで、輸出は構成比率の40%、輸入は構成比率の30%を占めています。また、輸出入額のいずれも上位10カ国で構成比率の70%を占めています。

輸出(2022年)
順位 国名 輸出額 総額構成比 累計
1位 中国 19.0兆円 20% 20%
2位 アメリカ 18.3兆円 19% 39%
3位 韓国 7.1兆円 7% 46%
4位 台湾 6.9兆円 7% 53%
5位 香港 4.4兆円 5% 58%
6位 タイ 4.3兆円 4% 62%
7位 シンガポール 2.9兆円 3% 65%
8位 ドイツ 2.6兆円 3% 67%
9位 ベトナム 2.5兆円 3% 70%
10位 オーストラリア 2.2兆円 2% 72%
輸入(2022年)
順位 国名 輸入額 総額構成比 累計
1位 中国 24.8兆円 21% 21%
2位 アメリカ 11.7兆円 10% 31%
3位 オーストラリア 11.6兆円 10% 41%
4位 アラブ首長国連邦 6.0兆円 5% 46%
5位 サウジアラビア 5.6兆円 5% 51%
6位 台湾 5.1兆円 4% 55%
7位 韓国 4.4兆円 4% 59%
8位 インドネシア 3.8兆円 3% 62%
9位 タイ 3.5兆円 3% 65%
10位 ベトナム 3.5兆円 3% 68%

貿易収支の実態 その2 貿易収支がプラスの国とマイナスの国

去年1年間の貿易統計は、過去最大の貿易赤字となったことは事実ですが、全ての国に対して貿易赤字となったわけではありません。2022年の貿易収支はプラスになった国の合計がプラス24兆円、マイナスとなった国のマイナスの合計がマイナス44兆円となりました。貿易収支プラスとマイナス、それぞれについて、各国の寄与は次の通りです。

貿易統計(財務省)をもとに当サイト作成

このように貿易収支の観点からは、輸出ではアメリカおよび近隣アジア圏からの収益が大きく、輸入ではオーストラリア、中国、中近東からの支出が大きいことが分かります。